先日、スタッフがミンダナオ子ども図書館館長・松居友さんの講演会へ参加して参りました。

ENC/GNAの講師たちが住むダバオから、アポ山を挟んだキダパワンシティ郊外にある『ミンダナオ子ども図書館』。
そこで暮らす子供たちのお話です。

 

『ミンダナオ子ども図書館(Mindanao Children’s Library:MCL)』とは

『ミンダナオ子ども図書館』は、地域の村に入っての絵本などの読み聞かせ活動、
医療支援、就学支援、保育所支援、子どもシェルター、難民救援活動、植林活動などを行うフィリピンの現地NGO法人です。

2003年に松居友さんと現地の4人の若者が立ち上げました。
Youtube なぜここに日本人;テレビ放映、完成版 マノボ族の首長になった男:ミンダナオ子ども図書館

Tomo Matsui

2000年に起こった政府軍とモロ・イスラム解放戦線との大規模な衝突。
現地でそれを目の当たりにした松井さんが目にしたものは、あふれかえる難民たちでした。

安全地帯を求めてさまよう難民の中にはたくさんの子供たちがいました。

しかし、その子供たちは無表情でぼーっと空を見つめ、
手を振っても呼びかけても反応がない、
松井さんの知る「子供」とはかけ離れた様子でした。

家族と生き別れたり、家族を亡くしたり、食料不足で飢餓にさらされ、そのため命を失ってしまったり。
無邪気に笑顔でいられるような状態ではなかったのです。
そこで設立されたのが、この『ミンダナオ子ども図書館』でした。
ここでは、イスラム教、先住民族、キリスト教徒の子供たちが大きな家族となり、
お互いの宗教や習慣を尊重しながら仲良く寝食を共にしています。

みんなつらい過去を持つ子どもたちですが、
『ミンダナオ子ども図書館』にはびっくりするほど明るくまぶしい笑顔があふれています。

 

絵本の読み聞かせがもたらすもの

『ミンダナオこども図書館』の活動の軸となるのは、様々な地域での絵本の読み聞かせです。
『ミンダナオこども図書館』に住む子供たちは、父親のように慕う松井さんに読んでもらった絵本の内容を自分のものにし、
それぞれが自分達の先住民族の言葉で家族や友人に伝えます。
また、学校に通えない子供たちが住む地域にも松井さんと共に出向き、自分達の言葉で絵本を読み聞かせます。
そこで待っている子供たちの中には、絵本を見るのが初めてという子供たちも。
キラキラと目を輝かせ、みんな読み聞かせを心待ちにしているのです。

宗教や民族の違いを越えて、仲良く協力して暮らしている子供が、
様々な地域でそこに住む子供たちと同じ言葉で読み聞かせをすることの意味とはなにか。
それは、平和のよろこびをもたらすこと、笑顔をもたらすことなのでした。
子供たちが笑顔になれば、大人たちの表情も明るくなります。
心から平和を望んでいるのは大人も子供も一緒なのです。
ENC/GNAの講師たちが住む、治安のいいダバオとは違う、
危険なエリアへも松井さんは足を伸ばして読み聞かせを行います。

身の危険を感じてもちろん怖いと感じることもあるそうです。
しかし、子供たちのために・・・と思うと、その恐怖心がふっと消えてしまうのだとか。

こちらは松井さんが書いた絵本です。

サンパギータのくびかざり(今人舎)
松居 友(著)、ボン ペレス (イラスト)、Bong Perez (原著)

リンは、サンパギータの花を糸でつなげてくびかざりをつくります。
それをうったお金で、びょうきのおかあさんに、ごはんをかってかえるためです。
まずしくてもさびしくても、力づよく生きる少女、リンと、リンをささえるあたたかい人びとをえがいたものがたり。
サンパギータのくびかざり 松居友

 

松居さんのお話を聞いて、ダバオで平和に暮らすテレビ番組だけでは知ることができないミンダナオ島の現状、
紛争により希望や笑顔を奪われた子供たちに胸を痛めたENC/GNA日本事務局長は、
ミンダナオ島の子供たちにできることはないかと思案しているようです。

 

先住民族マノボ族から学ぶ

 

静かで平和に暮らしている人たちを争いごとへ巻き込んでいく。
子どもたちから希望や笑顔を奪っていく。

そんな子供たちの力になるため、松居さんは根本的な考え方を先住民族であるマノボ族から学び、
『ミンダナオ子ども図書館』を運営しています。

松井さんは後に、マノボ族の酋長になりました。

先住民族マノボ族の教え

優れたリーダーとは何か?

・親のいない子どもを助けること
・母子家庭を助けること
・村同士の争いをすることなく、リーダー同士が協力して平和を作ること
この考え方は「世界がもし100人の村だったら」の原案の著者である、
ドネラ・メドウズが提唱している「貧しい人達が幸せになる5つの条件」に通ずるものがあります。

世界がもし100人の村だったら 完結編(マガジンハウス)
池田 香代子 (著)、C.ダグラス・ラミス (翻訳)

世界がもし100人の村だったら 池田 香代子

 

貧しい人達が幸せになる5つの条件

1つめ きれいな空気と土と水
2つめ 災害や戦争のためにふるさとを離れなくてすむこと
3つめ 予防をふくむ基礎的な医療をうけられること
4つめ 基礎的な教育をうけられること
5つめ 伝統文化に誇りをもち、それらを楽しむことができること

マノボ族の教え、貧しい人達が幸せになる5つの条件、これら実践し、
子供たちを支える『ミンダナオ子供図書館』の活動に生涯をかけて取り組む松井さん。

同じフィリピンに仲間がいる私たちも、心から応援しています。

 

Youtube 池上彰のJAPANプロジェクト~世界の“命の現場”で奮闘する日本人~ 4月12日
池上彰のJAPAN[720p]

 

『ミンダナオ子ども図書館』への支援の方法

日本から『ミンダナオ子ども図書館』を支援する窓口はこちらです。

ミンダナオ子ども図書館 日本応援窓口
http://mcl-japan.jimdo.com/mcl%E3%81%A8%E3%81%AF/
『ミンダナオ子ども図書館』の活動は、すべて日本の支援者の支えによって成り立っているそうです。

一人の子どもを一人の支援者に支援してもらうスカラシップ支援に里子支援、
子供たちの医療費、生活費の他、物資の支援も受け付けているそうです。
みなさんのあたたかいご支援をと願っています。

 

 

今日はとってもまじめなお話でした。